2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

非順応主義

批評行為昨今批評行為が誰にも可能になったことによって批評家の存在意義自体が問われている。 批評行為はその分野の専門家があるいは批評家という人種が、ルールに沿ってある対象に対して論考するという行為で、その批評行為は一般が対象を認識する際の指標…

残滓

いつの時代でも行為には理由があり、しかし残るのは記録だけだ。理由はある特定の時間しか有効でない。それが衝動的であるほどそうだが記録は不変で、よって時間の経過とともに理由は置き去り。戦争に恐怖したところで50年も経過すれば戦争をする理由を探す…

価値

金銭を使う、消費する行為の快感が存在する。金銭の使い方において、自分が何に金銭を使うか、要は何と交換すれば快感を得られるか、という相談を受けたが、消費行為と商品が自己を規定するという考えに基づけばそれはそのまま自己規定の問題になる。 しかし…

禁止

やってはいけないことを増やすことで、そのやってはいけないことを侵す人間が減ることは無い。禁止されることでその行為は新たな意味を持ち以前よりも魅力的になるのだろう。いかがわしさの持つ魅力、なのだけれど、所謂アンダーグラウンドという事だ。よく…

退屈

三島の「奔馬」のなかにこんな言葉がある。 神風連史話という冊子を三十八歳の本多に勧める十九歳の飯沼勲に対して 「その年齢特有の、自他の感動の質の区別がつかない、丁度きめの粗い紺絣の、どこまでも同じ形の飛白がつながってゆくような、辿りやすい精…

反転

終戦というものがどれほどに広範囲においての反転だったのか想像する以外に無いのだが、生命の危険が有る状態から無い状態、死が身近に有るか否か、というのは一つの焦点であるように思う。生命の保証の変わりに悪趣味を手にしたのが現代だとも思う。しかし…

幻想の復権

建築に始まる最も影響力のあるメディアというものは20世紀に音楽に変わり21世紀に映像に変わった。音楽は自分を説明するための手軽なツールへと地位を落としその結果として現れたのは殺人や自殺が不特定多数に向けて発信されるという事実であった。結果とし…

水晶玉が欲しい

小学校低学年のころ急に水晶玉が欲しくなった。友達の家に透き通ったビー玉より少し大きいくらいのガラスの玉があって、これを覗くと未来が見える、といわれた。そのとき初めて水晶玉は未来を見ることが出来るという通念のような話を知った。しばらくして、…