2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

風邪

風邪気味である。風邪をひくと必ずといっていいほど思い出す感情がある。小学生くらいの時分、風邪をひいたときだけは、母親に「何か欲しいものはある?」だとか「食べたいものはある?」と尋ねられるのだ。親というのは欲しいものを買ってくれない存在であ…

「悪霊」覚書

新潮文庫版ドストエーフスキー「悪霊」(江川卓訳)を読了して、気に入った箇所に印をつけておいたので抜粋する。実を言えば、私たちはそれこそなんの罪もない、愛すべき、純粋にロシア式の、楽しくリベラルなおしゃべりにふけっていただけなのである。《高度…

神秘家

上村一夫原画展の設営の手伝いで神楽坂まで行く。やはり原画は全くの別物だ。しかし気力体力共に充実していないと相当にエネルギーを吸い取られるしろもの。その原画のなかで、宙に浮いたキャベツのような、女のような、女のようなキャベツのような、という…

ハンティング

ある考えが浮かび、それをまとめるとそれを所有したような感覚にある。それは初めての狩のような体験である。若い狩人は初めて対峙する獲物に対して十分すぎる準備をして挑む。同じような獲物と繰り返し格闘することで相手の習性を把握し、必要な武器を洗練…

非順応主義2

批判批判を繰り返す、という点がその活動の要である。ここで重要なのは自己が所属する(最低限所属せざるを得ない)空間に対して批判する余地を持つということである。同様に反論の余地も残る。本来所属する集団、空間を非難することは困難である。それは誰し…