2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

美術品と商品 

ワタリウム美術館に草間弥生展を見に行った。この美術館では展示を見るためにいちどエレベーターに乗らなければならず、つねに職員がエレベーターのなかに待機して、ボタンを押している。肝心の展示はというと、点数が少なく、60年代に草間弥生がデザインし…

黄金時代

書き溜めたノートが整理しなければ収拾がつかないような状態なので、少しずつ整理を始めている。いちばん古いものだと19歳から20歳くらいのときにつけていた手帳がある。そこには、そのときたまたま見ていたテレビで印象に残ったこと、例えば「伊賀焼きは雑…

10月のメモ

山本義隆「福島の原発をめぐっていくつか学び考えたこと」を読んだ。この本は分量的には少なく、特別の変わったことが書かれているわけではないけれど、科学の発達と、原子力技術との、理論と実践とのあいだの距離についてと、技術における倫理的問題として…

同一空間の永遠に交わらない二線

最近とても嫌な言葉を目にした。ある人が、アーティストという人種を注視しているという。そういう人は感性で動くから、地震や放射能汚染に反応しないのは感性が死んでいるか、金にまみれているかのどちらかだ、という言葉なのだが、その事を知人に話しても…

苦痛の探求

先日、戯れに「自分が過去に戻ってやり直すなら何歳のときに戻るか」という話をした。三歳、というのがわたしの解答だが理由ははっきりしている。わたしは四歳で小児喘息にかかったのだが、それまで掃除機の排気口からでてくる温かい風を浴びるのが好きだっ…