2015-01-01から1年間の記事一覧

花に問ひたまへ

さそうあきら「花に問ひたまへ」はわたしの住んでいる多摩川のそばの駅周辺が舞台になっている。最初のページをひらいたときにすぐそのことに気づいて嬉しくなった。自分が美しいと感じたものを作者も見て、作品にとりあげたことを誇らしく感じた。この川辺…

アナログレコードのリリースに伴って答えたインタビューがあった。こんなふうに自分の言葉を求められるようになったことは変化とも思える。現在は夏のあいだに完成させた2枚のアルバムのリリース元を探している段階で、これはうまいぐあいにいっていない。…

批評空間

音楽批評の存在については自分の経験もあって否定的だったのだが、最近考えが変わりつつある。5年ほど前にセカンドアルバムを出したとき、有名な音楽評論家に文章を依頼した。それが必ず自分たちの作品にとって有用な、新たなリスナーを生むだろうと思ったか…

台湾の有志からHeavenの歌詞を教えて欲しいとの連絡があり、代わりに英訳と中国語訳をお願いしたところ、驚いたことに翌日には数曲を訳して送ってくれた。 gypsy houseのアナログリリース以降、台湾や上海からの連絡が多いが、彼らの熱意に影響されて作業に…

アート

去年の今ごろによく路上で酒を飲んでいた相手と久しぶりに会う。 彼はコンテンポラリー・アートをやっているのだけれど、日本の状況にたいする見解は共通するところが多い。 オリンピックのロゴの問題に関する反応ひとつとってみても、この国のひとたちの、…

演奏

小学校を卒業するまでピアノを習っていた。親が言うには自分からやりたいと言ったらしくなかなかやめさせてもらえなかったので、練習の前日に渋々練習をする。上の兄はあまり文句を言わず聴いてくれたが、自分の下手さが嫌だった。小学校を卒業するとき、特…

年の離れた友人のこと

その人と初めて会ったのは当時働いていたレストランで、ずいぶんおっとりとした、育ちのよさそうな人だな、という印象だった。仕込みの時間の短い間だけ、周囲に気づかれないように会話しなければいけなかったのでそれほど多く話した訳ではない。けれども大…

五万年

今年はいくつかのレコーディング計画があって、それを具現化するだけで終わってしまいそうだ。人類の新しい危機についてのドキュメンタリーを見る。曰く人類は5万年のあいだほとんど脳が進化していない。その状態で大量生産が可能になったことで資源が枯渇し…

質問のこたえ

オーストラリアツアーがおわって、現在はあらたなプロジェクトの打ち合わせや海外からのインタビュー依頼によって、否応なしに自分の過去や日本の音楽状況について向き合わされている。これは放置してきた音楽の周縁を埋める作業だが、その多忙によって本来…

労働

最近否応なしにスタジオジブリの映画を見ているのだけれど、初期のジブリ映画のなかでは子どもが本当によく働く。キキは二度も床を磨く描写があるし、サツキやメイもよく手伝いをする。そんなのを見て育ったからプロレタリアート、てものにある種の羨望があ…

多忙

最近とても忙しい。この感覚は久しぶりだ。 あのときはああだった、でも今回はこうしよう、そういうところにいるようだ。 おかげで考えたことを整理する時間がない。ここ数年来、ある記憶のようなものが頭にこびりついている。 真っ暗いところにいるのだけれ…

続 と書いておきながら解説をやめて2年も経過した"Tsubouchi"のディスクレビューの依頼があったためいくつか質問に答える。 島さんと当時のことを思い起こし、よくあれを完成させたな、という考えは共通していると思う。そのくらいハードな録音だった。 そ…

ここまできて特に何も言うべきこともないな、と思って2年経過。状況が良くなっているとはとても思えないが、風のたよりで友人が結婚したり、人の親になったりしていることを知るのだが、それがきっかけで考えるのは、行方を知らない知人たちの行く末の方だっ…