2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

読む

人から本を貰うことがたまにある。「僕が読んだ本でとても面白かったから君も読んでごらんよ」というような感じでなく、新品をくれる。もしかしたらその人はもう一冊持っているのかもしれないが、そうでない場合もある。一度、25歳ころに、誕生日のプレゼン…

暴力と真実

大江健三郎「芽むしり仔撃ち」(新潮文庫)を読み返す。この小説はわたしが一番多感な時期に読んだ小説のなかで、当時のわたしにとっては群を抜いて難解な小説であったと思う。この小説を何故いま読み返そうと思ったのかは定かではないが、ここ最近の反原発デ…

シンパシー

先日の夜、電車の端の席に腰掛けていた。空いた座席の反対の端に大きなギターケースをかかえた人がいて、見覚えのあるシルエットだと思ったら、小学校から高校まで一緒だった同級生の女の子(とあえて書くのは記憶のなかではそのときの印象が強いから)だった…

幸福な家

加藤周一についてはその本の情報量があまりに多すぎて、うまく抜き出すことが困難だと思う。本当はもっとわかりやく書きたいと思っているのだが・・・。ともかくそこから離れて、自分という存在がどのようにして形づくられたかに戻りたい。子どもというものは、…

情報を通じてみる都市と地方での音楽状況のちがい

加藤周一「科学の方法と文学の擁護」のなかで、技術の発達と、それに関係して情報の伝達について触れているところがある。技術と情報との関係というのがあって、第一に、技術の発達によってあらゆる情報の量が多くなった。第二に情報の量だけでなく、新しい…

部品

加藤周一「科学の方法と文学の擁護」を読んでいる。この本のなかで、科学と、技術と、それから文学について、それと、「知る」「信じる」「感じる」という、人間の感情について、それぞれの立場と関係を明らかにしながら論じている。科学とは(役に立たなくて…